かっこいいバリスタになれなくても

意気揚々と憧れのバリスタになって、配属されたのは有名カフェの都内繁華街の旗艦店。
当時はコロナ前。外国人観光客がひっきりなしに訪れる街の人気カフェでした。
自分が通った店の憧れのバリスタたちのように、
いつもテキパキ、キビキビ、堂々と立ち振る舞いができて、
フレンドリーで、美味しいコーヒーが淹れられて…
なんて理想を掲げていたものの、ついていくのに必死、
というか全然ついていけませんでした。
せっかく憧れのコーヒーの仕事に、憧れの店で就けたのに、
うまくいかないことだらけで、だんだんと出勤の足取りも重くなりました。
コミュニケーションも上手ではないし、チームプレイよりもどちらかといえば一人が好きで、
イレギュラーには弱く、混むと慌てて、
内向的で、要領も悪く、作業は制限時間内に終わらない。
薄々分かってはいたけれど、再確認。
どう考えても自他共に認める事務職向きでした。
でもチャレンジしてみたかったんです。
アルバイトから契約社員登用のチャンスにも落ちて、
人事考課でも最低賃金据え置きで、
その際、もうバリスタとして正社員になることは諦め、
自分らしく働くことを選びました。
小さい店へ異動させてもらうと同時に週4勤務に減らし、
経理などの業務委託(フリーランス)とのパラレルワークで
バリスタを続けました。
その後、 間借り営業を経てeckeを開業しますが、
(これについてはまた改めて)
ecke開業後もパラレルワークは続き、というか
パラレルワーク前提のビジネスモデルでスタートしました。
(開業から3年経ち、eckeが少し忙しくなって大きな業務委託を手放したところ、
今度は収入が足りませんが、これもまた別の機会に)
コーヒーに全身全霊をかけている方、コーヒー一本で成功している方から見たら、
中途半端に見えるかもしれません。
お店を開いてからも、「趣味でやってるんだね」とか
営業時間や日数が短い、少ないと嫌味っぽいことを言われることもあります。
でもこれは自分が配られたカードで勝負する術。
憧れていたテキパキ、キビキビ、かっこいい「バリスタ」にはなれなくても、
のんびりおっとり「マスター」でもいいじゃないか。
コーヒー関係者に笑われても、
コーヒーマニアに見向きもされなくても、
eckeと私の存在を喜んでくれて、応援してくださる方に届けばきっと大丈夫。
そう思いながら日々営業しています。









