2025-07-12

なぜコーヒーを始めたのか

「コーヒーが好きだからコーヒー屋さんになったんですか?」
と聞かれる事があります。

自分で仕事を選べる個人事業主で嫌いなことをわざわざ仕事とにする人はいないでしょ、と
突っ込みたくなりつつも、
「いつからコーヒーが好きになったんだっけ」
「何でコーヒー屋やってるんだっけ」
「そんなにコーヒーが好きなんだっけ」
と改めて振り返る機会にもなります。

振り返ると、大学時代はまだコーヒーにさして興味はなく、
アルバイトしていた某ドーナツやチェーンでもスタッフドリンクでコーヒーには見向きもしなかったし、
外出して1杯500円のカフェラテなんて高いと思っていました。

社会に出てから、週末に一人でカフェに行く事が好きになって、
大体注文するのはブラックコーヒーでしたが、
特に美味しいと思っていなくて、理由は「1番安いから」でした。

たぶんコーヒーに深く興味を持ち始めたのは、国際協力への関心の中で出会った「フェアトレード」がきっかけ。

「フェアなトレード」すわなち「公平な貿易」であり、
平たく言えば生産者に適正な対価が支払われる貿易の仕組みのこと。

世界共通の認証基準もあれば、草の根レベルの小さなものまで。

その中で、自分が関心のある団体の扱うフェアトレードコーヒーや、
フェアトレード認証のあるコーヒーを選ぶようになり、
社会人3年目で1年間人生で初めて一人暮らしをした時に、
コーヒー器具一式を揃えて自分でハンドドリップをし始めました。

この時はまだ、産地や焙煎度による味の違いなどはあまり深く考えず、
「フェアトレードかどうかでコーヒーを選ぶ」時期でした。

3年で新卒の仕事をやめてドイツにボランティアに行き、
帰国後は複数の国際協力団体に勤める中で、
なんとなくコーヒーの仕事に就くことに憧れを抱き始めました。

フェアトレードの商品販売を行うNGOにも勤めて、
専門ではなかったものの、片足くらい突っ込むと、
コーヒーにもっと深く関わりたいなと思いました。

でも、なぜそれほどコーヒーに憧れたのか、思い返してもあんまりよく覚えていません。

「なんとなくかっこいい」だったかもしれません。
その時から、いつか脱サラして自分のお店を持ちたい、なんて思ってもいませんでした。

恐らくは、自分が淹れたコーヒーを美味しいと言ってもらうことの喜び体験、
そしてやはり国際協力のバックグラウンドがあるので、
海の向こうの(コーヒー産地の多くは開発途上国である)生産者さんと繋がれる、
経済循環を生み出すことができることに興味があったような気がします。

(入り口は「お買い物でできる国際協力」「途上国の生産者を買って支援」だったかもしれませし、
今もフェアトレードのコーヒーも扱っていますが、
あの頃とは少し考えが変わり、(直接取引ではありませんが)
自分ができないコーヒー栽培を担っていただいている
【対等なビジネスパートナー】として、感謝と敬意を忘れないようにしたいと思っています。)

話を戻しますが、(当時)30歳をすぎて既婚で、未経験で正社員で雇ってもらえるコーヒー屋なんてなく、
コーヒー、カフェに関わる会社の総務・経理ならできるかもしれないと、
そのような求人を探し、いくつか応募したこともありました。
(が、残念ながらご縁がありませんでした)

そんな思いを持ちながら、2015年前後からスタートした「サードウェーブコーヒー」ブームに思いっきり乗っかって、様々なコーヒー店を訪れると、その憧れはどんどん増して行きました。

訪れるコーヒー屋さんでお店の方々と親しくなると、やっぱり「バリスタ」というお仕事に憧れ抱きます。

たくさんの求人を漁っても、未経験で正社員でバリスタの採用をしているところなんてほぼなく、
基本的にはアルバイトスタート。

世間体や常識に囚われていた当時は、そんな選択肢なんて考えられず諦めていましたが、
あるときに吹っ切れ、応募したところ見事採用連絡が届きました。

フルタイムアルバイトとして、
憧れのコーヒー店にバリスタとして転職したのは、
35歳目前の2018年8月のことでした。

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